ゲーム会社社員の英語学習日記

TOEIC満点、英検1級合格の会社員の英語学習ブログです。

外国語学習の科学

こちらの本は外国語学習のメカニズムに関する研究を扱った本です。外国語学習のためのノウハウ本というよりは、人間が外国語を学習するときはどのような過程で行われるのか、学習するために必要な要素は何か?など過去の研究成果を元に解説しています。

この本で初めて知りましたが「インプット仮説」というものがあるんですね。これは「言語習得は、母語も外国語も言語内容を理解することによってのみおこる」という考え方です。一部の幼児はなかなか話し始めないので、まわりが心配していたら、あるときから完全な正しい文を話し始めたというケースが多数報告されています。

ということはインプットだけで言語習得が可能なのでしょうか?実は幼児の前でテレビをつけっぱなしにしていても言語を習得しないという報告もあります。人間相手のインプットはよくても、テレビの場合は駄目。実は子供は意識的にせよ、無意識的にせよ、頭の中で何かを言っているのではないでしょうか? そのように頭の中でリハーサルを行っているので話せるようになるのです(相手が人間の場合のみこれは起こります)。

これはなかなか面白い結果ですね。筆者は自分の実体験を元にこのリハーサルによる学習について以下のように書いています。

外国語で考える=リハーサル


英語をマスターするには英語で考えなければだめだ、と言われたり、本で読んだりした人は多いのではないでしょうか。英語にかぎらずどの外国語についても、この「英語(外国語)で考える」ということばはよく聞きます。しかし、具体的にどういうことをさしているのかは、非常にあいまいで、よくわかりません。
(中略)
するとある日、なぜか頭の中で英語でしゃべっている自分に気づいたのです。考えてみれば、これは自然なことで、人はその日におこったこと、うれしかったこと、腹の立ったことなどを誰かに伝えたいものです。
(中略)
実際に誰に伝えるかはっきりしなくても、話す時には英語だということだけはわかっているわけですから、それを頭の中で英語でリハーサルすることになります。
(中略)
このようなリハーサルの効果は絶大でしょう。まず、口には出さないにしてもいつでも頭の中で英語を話しているので、英語を話している時間が何倍にも増えるようなものです。

英語で考えたり、英語で独り言を言ったりする効果はここら辺にあるんでしょうね。他にもいろいろと面白い仮説があるようなので、気になる方は読んでみてください。直接的に外国語学習の役に立つとは思いませんが、興味深い研究(雑学)が詰まっていますよ。