ザ・クリスタルボール
『ザ・クリスタルボール』は商品の仕入れに関する本です。よく知らない分野なので読んでみましたが、ストーリー仕立てなので最後まで一気に読めました。今の流通の仕組みはこのような過程を経て作られているんですね。各店舗ごとに在庫を持つという効率の悪いシステムから始まって、総合流通システムを作るまでのプロセスが丁寧に語られているので、流通の仕組みを簡単に理解することができました。
店舗ごとの売り上げを予測することは非常に難しい。一方で商品の仕入れのスパンは大変長い。これをどうやって解決すればいいだろうか? というのがこの本の課題です。店舗ごとに何がどれだけ売れるかを正確に予想することはほとんど不可能ですが、ある地域の複数店舗の総売り上げの予想は多少簡単になります。カオス的な振る舞いをする売り上げのバラツキを、規模を増やすことで予想可能にできるわけです。言われてみればその通りなんですが、意外と忘れがちな原則です。
本書は流通の本なのですが、この考え方自体は他の分野でも使えそうですね。
ザ・クリスタルボール
posted with amazlet at 10.03.21