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ゲーム会社社員の英語学習日記

TOEIC満点、英検1級合格の会社員の英語学習ブログです。

雇用の常識 「本当に見えるウソ」

最近の世代間格差や規制緩和に関連した雇用問題は統計データを使ったごまかしが多いようなので、関係しそうな本を何冊か借りてきました。『雇用の常識 「本当に見えるウソ」』は世間一般で主張されている雇用に関する常識を詳細なデータ分析から見直すという内容です。

この本で面白かった点は一般に用いられている統計データを再検討するところです。たとえば「企業は正社員を減らして非正社員を増やしている。けしからん!」という主張がよくあります。正社員の統計を見ると確かに減っているんですが、実はこれって生産年齢人口の減少を考慮していません。つまり全体の人数の変動を考慮していないのです。生産年齢人口が減っていることを考慮すると、正社員を減らして非正社員を増やしているとは言えないようです。

一般的に何かの意見を主張する場合は「統計データではこうなっている」→「だからこうすべきだ」という流れになりますが、先ほどの例のように最初の統計データの扱いが間違っていることが多いんですね。最初のデータ分析にミスがあると、その後に何を言っても意味がありません。まあ実は最初から結論ありきの分析かもしれませんが(笑)。

なぜデータを正確に分析しないといけないか? これは今後の正しい対策を立てるためなんです。現状の分析に失敗しているようでは実際に効果のある手が打てません。最初の問題提起が間違っていては目も当てられない結果になってしまうので、データの扱いには注意しないといけませんね。統計データが示された場合には素直に信じるのではなく、このデータが省略している要素が他にあるのではないか? という点を考えていかないとコロッとだまされてしまうわけです。

この本はそのような事例を延々と挙げて反論を重ねているので、なかなか読み応えがあります。しかし統計データが非常に多いので、本文は意外と読みにくいです(笑)。ここばっかりはどうしようもなかったんでしょうか。いい本だけにちょっともったいない気がしました。


雇用の常識「本当に見えるウソ」
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