ゲーム会社社員の英語学習日記

TOEIC満点、英検1級合格の会社員の英語学習ブログです。

「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?

最近は英語の勉強がメインですが、多少はビジネス書も読んでいます。軽く読めるものが多いんですけど。

先日読んだのは細野真宏氏の「『未納が増えると年金が破綻する』って誰が言った?」です。年金について書いてあるのは後半の3分の1ぐらいなんですが、ここだけのために買う価値がある本でした。マスコミから漠然と「年金があぶない」「払ったほうが損になる」「未納率が4割」などのイメージが広められているのですが、これがすべてウソであることを明確に解説してくれます。

まず「年金を払っている人は6割しかいない」というのは「(第一号被保険者の中で)年金を払っている人は6割しかいない」という意味だそうです。国民年金全体でいうなら未納者は5%程度しかいません。ここら辺はマスコミもどこまでわかって記事を書いているのかあやしいですね。本によれば日経も理解があやしかったそうですから・・・。

次に年金は「仕送り方式」だから少子高齢化になると破綻するというのもウソです。「積み立て方式」の場合インフレに対応できないので物価スライドがありませんが、「仕送り方式」ならばインフレを打ち消せるのです。「仕送り方式」にはちゃんとしたメリットがあるということです。

一方で「若い人ほど損をする」というのは本当のようです。しかし「若い人は払い損になる」ことはありません。厚生年金に加入している第二号被保険者の場合(普通のサラリーマンの場合)は保険料の半額を企業が負担しているので、圧倒的にお得です。第一号被保険者の場合でも払った額の1.7倍程度はもらえます。さらに今後高齢者に支払われる国民年金の半分は税金になるので、支払う保険料は少なくて済むのです。国民年金の支払いに税金が使われるようになるわけですが、その税金は保険料を払っている人もいない人も平等に徴収されます。つまり保険料を払わないと一方的に「損」するのです。

で最後に「保険料を払わない人が増えると年金が破綻する」ですが、これが一番のウソです。そもそも保険料を払わない人は年金をもらえないのだから、支払い額がその分減ります。だからそもそも何の問題ないのです。また未納者は全体の5%程度しかいないので多少変動しても影響しません。最近は保険料方式から税方式への移行を促す意見がありますが、その大前提である「保険料を払わない人が増えると年金が破綻する」というのが間違っているんですね。

いやーいろいろと勉強になりました。とはいえ、私はサラリーマンなので選択の余地はあまり無いのですが(笑)


「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~
細野 真宏
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